平成28年3月28日 基本計画調査特別委員会

開会、閉会について
平成28年3月28日午前10時00分、第2委員会室において開会し、同日午後0時46分閉会した。

議事
(1)付託議案の審査
ア 墨田区基本計画(素案)について
(ア)第1部 計画の基本的考え方
(イ)第2部 “夢”実現プロジェクト
(ウ)第3部 計画の内容のうち、基本目標Ⅰ・Ⅱ
イ 墨田区総合戦略について
ウ 墨田区人口ビジョンについて
上記事項について理事者から説明を聴取し、質疑応答、意見交換を行った。

○委員長(坂下修君) 
 ただいまから、墨田区基本計画調査特別委員会を開会いたします。
 早速、議事に入ります。
 付託事項の調査を行います。
 当委員会の調査事項は、「墨田区基本計画の策定に関する諸問題について、調査し対策を検討する」こととなっております。
 本日は、「墨田区基本計画(素案)の『第1部 計画の基本的考え方』『第2部 “夢”実現プロジェクト』及び『第3部 計画の内容のうち、基本目標Ⅰ・Ⅱ』について」並びに「墨田区総合戦略について」及び「墨田区人口ビジョンについて」、理事者から説明を聴取いたします。
◎企画経営室参事(岩瀬均君) 
 それでは、資料のご説明をさせていただきます。
 なお、資料1「墨田区基本計画(素案)」の提出が若干遅れましたことを、おわび申し上げます。
 それでは、早速でございますけれども、資料1「墨田区基本計画(素案)」をご説明いたします。
 目次をご覧ください。
 計画は、第1部が総論とも言うべき「計画の基本的考え方」、第2部が「“夢”実現プロジェクト」、第3部が「計画の内容」という、各政策・施策の表記となっております。
 まず、1ページ、第1章、計画の基本的考え方です。
 2ページ、1の「計画策定の目的」でございます。
 現計画が最終年度を迎えたことから、これまでの施策の達成状況や社会経済情勢の変化等を踏まえつつ、今後の社会潮流も予測した上で、新たな基本計画を策定しているところでございます。
 2といたしまして「計画策定の視点」ですが、新たな部分としましては、(3)「墨田区公共施設等総合管理計画」の内容を踏まえまして、公共施設等に関する総合的かつ計画的なマネジメント推進の考え方を示すとともに、学校統廃合跡地等の未利用公有地の活用方針を示してまいります。
 一方で、計画期間の前半は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた都市環境の整備等が加速すること。また、今回同時並行でご議論いただきました「墨田区総合戦略」の計画期間となることから、これらの施策に重点的に取り組むことにしております。
 3ページをお願いいたします。
 計画の特徴・性格は4点。協治(ガバナンス)を区の基本理念とした基本計画、行政評価システムを組み込んだ基本計画、今後の公共施設等整備を示した基本計画、「“夢”実現プロジェクト」を掲げた基本計画でございます。
 計画の期間ですけれども、2016年度を初年度として2025年までの10カ年の計画といたします。
 なお、原則として計画期間の中間年で計画の見直しを行うものとしております。
 4ページ、5ページは「計画の構成」「基本計画と行政評価の連動」でございます。
 このご説明につきましては、前基本計画とほとんど変わっておりませんので、省略させていただきます。
 6ページをご覧ください。
 ここからは、第2章、計画の前提・背景でございます。
 まず、社会潮流でございます。
 1点目は、「人口減少社会に対応する社会・経済システムの見直しと、人口減少に歯止めをかける少子化対策が求められる」というところでございます。
 我が国では、合計特殊出生率が低い状況が続いておりまして、2005年には戦後初めて総人口が減少し、本格的な人口減少社会を迎えています。2015年現在、東京都の転入超過は4年連続で増加するなど、依然として都心回帰の傾向が続いていますけれども、いわゆる「団塊の世代」が後期高齢者となることから、東京圏においても後期高齢者人口が急激に増加することが見込まれます。こうした人口減少、超高齢社会では、経済活動の低下や地域コミュニティの弱体化など、多くの課題が顕在化することから、社会・経済システムを人口減少と少子高齢化を前提としたものに見直していく必要がございます。
 そして、「社会保障の持続性と地域経済の活性化」でございます。
 人口減少社会では、働き手の減少や経済規模の縮小、1人当たりの国民所得の低下等が懸念されます。また、少子高齢化による社会保障費の増大により、社会保険料や税負担が世界最高水準となる可能性もありまして、1人当たりの負担が増大することによる勤労意欲の減退から、生産性も低下することが危惧されています。これからも持続的に発展していくためには、年金、医療、介護などの社会保障の持続性を確保するとともに、地域包括ケアシステムの構築により、高齢化社会へ対応すること、また、少子化対策として若い世代の経済的環境の改善や保育環境の整備などにより、合計特殊出生率を向上させて希望出生率を実現し、人口減少に歯止めをかけることが不可欠となります。若年者、女性、高齢者等が活躍できる環境を整えまして、地域経済を活性化していくことが求められています。
 7ページです。
 2点目でございますけれども、加速するグローバル化へ対応した国際都市・観光都市の取組の必要性でございます。
 観光業の基幹産業化とシティプロモーションということで、観光立国戦略の推進によりまして、2015年の訪日外国人旅行者数は過去最高となる約1,974万人にまで急増し、我が国においても観光業が基幹産業となりつつあります。4年後には、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されることから、更なる外国人観光客の増加が見込まれまして、地域の観光コンテンツを磨き上げ、受入環境の整備、海外への発信力の強化が課題となる中で、日本版DMOの設立と政策資源の集中投入が検討されています。
 また、我が国の伝統や文化を世界に向けて積極的に発信していき、地域住民の愛着度を高めるシティプロモーションへのより一層の取組が求められています。
 グローバル化の中での産業育成では、ICTの進展などによる国際分業が進む中で、二国間FTAや環太平洋パートナーシップ協定(TPP)などの自由貿易化の動きが拡大しています。
 また、クラウドコンピューティングサービスが普及する中で、製造業などものづくりの面では、インターネットの活用による生産過程の革新が図られています。このような変化の中で、人材育成や次世代産業の振興とともに、ICTを活用した大胆な産業の展開が必要となります。
 3点目でございます。
 「多様な災害に対する防災力の高度化に着手する」ということでございます。
 東日本大震災では、震源から遠く離れた東京におきましても、道路の液状化被害や大量の帰宅困難者の発生という混乱をもたらしました。これまでの防災対策が見直され、災害の発生を前提として、地域全体の防災力を一層向上させていくことが求められています。
 8ページをお開きください。
 これらを受け、国は災害対策基本法の改正を、東京都は「首都直下地震等による東京の被害想定」を公表しています。また、「減災」という考え方に基づく、新たな地域防災の仕組みを構築していくことが重要となっています。
 「多様化する災害への対策の強化と被災者の視点に立った防災対策の推進」でございます。近年、想定を超えた自然災害による被害が全国各地で頻発しておりまして、東京都でもヒートアイランド現象によると考えられる局地的な集中豪雨の頻発により、いわゆる都市型水害と呼ばれる浸水被害にたびたび見舞われています。特に都心部では、地下空間の増大など土地の高度利用化が進んでおり、こういった多様化する新たな災害への対策の強化が求められています。
 また、東日本大震災の教訓から、高齢者、障害者等の要配慮者や女性の視点を踏まえたきめ細かな防災対策の推進のほか、帰宅困難者への対策をいかに強化するかも課題となっています。
 4点目です。
 持続可能な循環型社会に向けて、安全で安定した再生エネルギーの供給が必須となります。
 環境省の再生可能エネルギーの将来予測によりますと、現行の施策に加えて合理的な対策を実施することにより、2030年には国内の発電電力量の約33%を太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーで供給できると想定しています。エネルギー効率の更なる向上や消費量の抑制、再生可能エネルギーの積極的な導入が求められています。
 「安全で安心したエネルギーの供給」ですが、2016年、平成28年から「電力の小売業への参入の全面自由化」が始まり、今後は「法的分離による送配電部門の中立性の一層の確保」と「電気の小売料金の全面自由化」が進むものと考えられます。エネルギーの供給には、安全性や安定供給、経済効率性、環境適合が最も重要であり、その中で「エネルギーミックス」の実現に向けた取組や、再生可能エネルギーのコスト削減が求められます。こうした多層・多様化した柔軟なエネルギー需給構造の構築に向け、水素社会の実現など、新たな技術の開発・利用の推進も求められます。
 9ページをお願いいたします。
 5点目ですが、「ICTの進化が地域課題解決に向けた社会的な活動の可能性を拡大する」というところでございます。
 個人においては、日常的な情報収集にICTを使うことが一般的となりまして、SNSなどによるコミュニケーション活動が急速に拡大しています。近年においては、スマートフォンの普及によりまして、ICT利活用の態様が急速に変化しています。そして、ビッグデータを用いて社会・経済の問題解決や、業務の付加価値向上を目指すサービスを展開するなど、ICT産業の新規創出により、今後は雇用の質の更なる向上が期待されます。
 また、地域の魅力を広く発信し、地域と地域外との情報交流を活発化させ交流人口の拡大に貢献するなど、地域外の需要を地域経済に取り込むことに重要な役割を果たしています。
 さらには、市民参加型インフラ管理の実現など、ICTの活用は他分野に広がっています。また、行政が所有している情報を、誰もが加工可能な使いやすい形で提供するオープンデータの動きが広がっており、行政の的確なデータを使った新しいサービスの誕生や、多様な主体が地域課題の解決に取り組むことができる環境づくりが期待されています。
 6点目でございます。
 人口減少社会の中で、自治体の自立が求められています。
 大変恐縮でございます、資料の創成会議の「成」の字が世界の「世」となっておりますが、成立、成人の「成」の間違いでございます。訂正をお願いいたします。申し訳ございません。
 「日本創成会議」から発表された「成長を続ける21世紀のために『ストップ少子化・地方元気戦略』」では、2040年ごろには若い女性の人口が現在より半分以下になる「消滅可能性都市」が、全国の約半分にも上ると発表され、全国を震撼させました。
 10ページをお開きください。
 長期にわたる経済不況や少子高齢化に伴う社会福祉費の増大により、地方自治体は依然として厳しい財政状況にあります。
 その中で、国では地方分権改革推進本部を立ち上げ、地方の発意による「提案募集方式」を導入し、地方公共団体への事務・権限の委譲や、義務付け・枠付けの見直し等の分権改革を推進しています。一方で、地方自治体は「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、2015年から2019年の5カ年を計画期間とする地方版総合戦略を策定し、施策を競って展開しています。また、都区間では児童相談所の移管をはじめとする、更なる都区制度改革の推進に向けて協議が進められています。
 区民のニーズや新たな行政課題に対応するためには、一層の歳入確保や事務事業の見直しなどによる財源確保に努める必要がございます。また、自治体間競争も激しくなっています。官民連携をはじめとした手法を導入し、持続可能かつ成長可能な自治体経営を目指すことが求められています。
 7点目、「成熟社会の中で、地域力向上の取り組みが始動している」としております。
 一人ひとりの個性や人権が尊重され、性別や障害の有無、年齢等にとらわれることなく、個人の個性と能力が十分に発揮される環境と豊かな地域社会の実現を目指し、それぞれの立場で主体的に取り組む必要がございます。
 そして、ひとり暮らし高齢者世帯の増加や地域の防災・防犯、子育て等に対する不安に対し、行政だけではなく、行政と地域住民が協働して取り組むことにより、地域の課題を解決していく必要性が高まっています。
 その一方で、住民のつながりが希薄化したりするなど、地域に存在していたコミュニティの弱体化が進んでいます。自分たちのまちは自分たちの力でつくるという考え方から、エリアマネジメントをはじめとした地域力を向上させる取組が行われ始めています。
 11ページでございます。
 こちらも新しい視点ということでございますが、8点目は貧困の連鎖に対応し、全ての子どもや若者が夢と希望を持って成長していける環境づくりを進めるという動きでございます。
 子どもの相対的貧困率は2012年、平成24年には16.3%となっております。子どもがいる現役世帯の相対的貧困率は15.1%であり、そのうちひとり親世帯の相対的貧困率は54.6%と非常に高い水準となっています。生活保護受給世帯のうち、約25%の世帯主が出身世帯においても生活保護を受給していたという、いわゆる「貧困の連鎖」も生じています。
 こうした状況を踏まえ、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されない社会とすることを目的に、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」等が成立しました。今後、貧困の状況にある子どもが健やかに育成される環境を整備するため、ニート、引きこもり、不登校など、社会生活を円滑に営む上での困難を有する子ども・若者に対する支援を充実していくことが求められています。
 以上が、社会潮流でございます。
 12ページをお開きください。ここからは地勢でございます。
 ここでは、本区の面積についてご説明いたしますが、13.77平方キロメートルと表記をいたしております。これは、平成26年度から国土交通省、国土地理院が面積計測の基礎となる地図を電子国土基本図に切り替えたことにより、面積の精度が向上したことによるものでございまして、本区の面積が0.02平方キロメートル増えた形になっています。
 13ページは沿革でございます。
 前基本計画とおおむね変更がございませんので、説明は省略させていただきます。
 14ページをお開きください。ここからは人口でございます。
 都心回帰の流れの中で、交通利便性の向上、東京スカイツリーの開業により、継続的な増加傾向となっています。2015年、平成27年5月に住民基本台帳人口、外国人を含むでございますが、26万人を超えています。平成27年度の国勢調査の速報値によりますと、人口は25万6,416人となっておりまして、5年前、平成22年と比較して3.6%の増加となっています。2016年1月1日現在の墨田区の住民登録人口は26万1,723人で、そのうちの外国人人口は1万673人となっています。
 なお、墨田区の人口密度は1ヘクタール当たり190人で、東京都の61人、23区部の147人を上回る高密度となっています。
 15ページは年齢構成ですけれども、急速な少子高齢化の進展、合計特殊出生率は低水準で推移しています。年齢3区分別の人口構成の変化を見ますと、年少人口比率が1975年、昭和50年の21.3%から、2015年、平成27年には10.6%に減少する一方、高齢者人口比率はこの40年間で7.3%から23.4%へと上昇しており、急激な少子高齢化の進みが分かります。
 また、本区の合計特殊出生率は2014年、平成26年時点で1.22となっており、全国平均の1.42と比較して低水準にございます。
 16ページをお開きください。世帯の推移でございます。
 本区の世帯数は2015年、平成27年度、国勢調査の速報値によりますと、13万338世帯であり、戦後ほぼ一貫して増加傾向が続いています。
 一方で、1世帯当たりの人の数は縮小が進んでおりまして、平成27年には1.97人と初めて2人を切りました。要因としては、核家族化の進行や若年単身世帯の流入のほか、出生率の伸びの悩みが影響しているものと考えられます。
 17ページです。外国人です。
 2016年、平成28年1月1日現在1万673人で、全人口に占める外国人の割合は、おおむね4.1%となっています。外国人人口は一時的に減少したものの、おおむね増加傾向にあり、2016年現在の外国人人口は1996年、平成8年の2倍となっています。
 18ページは人口動態です。
 これは、資料5の人口ビジョンでもお示ししたように、1997年、平成9年以降は都心回帰や交通利便性の向上に伴う人口流入により、おおむね転入が転出を上回る傾向が続く一方、少子高齢化が進む中で死亡が出生を上回るようになったため、社会増・自然減への転換が進んできています。このような状況の中で、社会増が自然減を上回る傾向となっていることが、本区の人口増加の要因であることが考えられます。
 19ページは将来人口の予測と計画人口です。この委員会でも議論していただきましたが、2025年、平成37年の計画人口は27万5,000人といたしました。したがいまして、本計画は平成37年に27万5,000人に増えていくという計画で策定をしております。
 20ページをご覧ください。ここからは土地利用・産業です。
 まず、土地でございますけれども、区全体の面積のうち、建物の敷地として利用されている宅地は757.2ヘクタールで55%を占め、そのうち住居系の面積は348.3ヘクタールで、宅地面積の46%、区全体の25.3%を占めています。23区全体の値と比べると、工業系・商業系の土地利用の割合が高いことが本区の特徴となっています。しかし、1991年から2011年にかけての土地利用の推移を見ますと、工業系は9.2ポイント減少しているのに対し、住居系が9.9ポイント増加しており、工業利用されていた土地が住宅利用に変更され、そこに集合住宅が整備されていることが分かります。
 21ページは建物です。
 住宅総数は約14万戸であり、10年間で約3万戸増加するなど住宅建設が急増しています。構造別では、木造住宅が全体の約17%であり、2003年、平成15年の調査時点から割合は減っていますが、依然としてまだ約1万8,000戸が木造住宅となっています。
 22ページは地価です。
 おおむね安定して推移していることが分かりました。
 23ページは産業でございます。
 2014年に実施された経済センサス基礎調査によりますと、本区内には1万6,853の民間事業所が存在しています。2001年、平成13年の調査結果では1万9,312事業所となっており、13年間で約2,500の事業所が減少したことになります。事業所数の推移を見ますと、2012年、平成24年までは減少傾向が続いたものの、2012年に東京スカイツリーが開業した影響もあり、2014年にかけては700ほど増加しています。また、2014年時点での事業所の産業構造別の構成比は、第2次産業が26.6%、第3次産業が73.3%であり、東京都全体における構成比と比較すると、本区は第2次産業の割合が高いと言えます。中でも、製造業の割合は20.6%と東京都との構成比の7.5%の2.7倍に上り、ものづくりのまちの特徴が色濃く見られますが、近年は減少傾向にあるということが分かりました。
 24ページをお開きください。
 ここからは、第3章、公共施設等整備の考え方と財政計画です。
 その現状等を3点掲げております。
 1点目は、公共施設等の老朽化と更新時期の集中でございます。
 区の公共施設(建物)は約300を超える数に上っていますけれども、それらの公共施設のうち、築後30年を超える施設は4割を超えています。インフラ系施設につきましても、例えば区が管理する橋梁は計25橋ありますが、それらのうち架橋後50年以上の橋梁が約5割となっています。
 2点目は、維持管理等にかかる財源不足です。
 また、3点目は民間サービスの普及や区民ニーズの変化等により利用が低迷している施設がある一方、社会経済情勢の変化等により、介護や保育施設に対する需要が増加しているということを記載させていただきます。
 そこで、公共施設等マネジメントの推進でございます。
 今後、区は長期的・経営的な視点を持って、公共施設等の老朽化対策や維持管理費の削減、将来の財政負担の軽減等を図るための公共施設等の適正配置や再編など、公共施設等マネジメントの取組を進めていく必要がございます。
 そこで、「墨田区公共施設等総合管理計画」から、今後の公共施設等の総合的かつ計画的なマネジメント推進のための基本方針を示しております。
 まず、公共施設(建物)の基本方針は、1点目が維持管理費の適正化、2点目が民間活力の活用、25ページに移りますが、3点目が計画的な予防保全による施設の長寿命化の推進、4点目が施設保有総量の圧縮、5点目が維持管理・運営にかかる財源の確保でございます。
 次に、インフラ系施設の基本方針は公共施設(建物)の基本方針4、施設保有総量の圧縮を省いたものと同様でございます。
 また、土地の基本方針は効果的な活用となっております。
 続いて、「6つのコミュニティエリア」及び「地域プラザ構想」につきましては、区民が身近に利用するコミュニティ施設等は、これまでの計画的整備により量的充足が図られてきたことや、交通網の充実により区民の日常行動圏が広がったこと、さらには全区的な施設利用を促進する観点から、「6つのコミュニティエリア」及び「地域プラザ構想」は見直します。
 今後は、区民や地域のニーズ、施設の配置バランス等を踏まえながら、既存施設の統合や機能転換、複合化・多機能化等を推進しまして、公共施設の再編に取り組んでまいります。
 なお、施設利用者が限定される障害者や高齢者の介護施設等の福祉施設、認定こども園や保育所等の教育保育施設、また小・中学校などは、既に策定された整備計画等に基づき、整備をしていきます。
 26ページをお願いします。学校跡地等の活用方針と活用策についてでございます。
 学校等の区施設跡地は区内に残された貴重な空間であることから、以下の主要な課題解決のために活用いたします。
 1点目はまちづくり事業の推進、2点目は防災対策の推進、3点目は子育て支援策の推進、4点目は高齢者、障害者施策の充実と地域医療連携の推進、5点目は生涯学習、スポーツ、レクリエーション活動の充実、6点目は区民ボランティアの活動促進等です。
 なお、都有地や都施設跡地等の多くにつきましても、地域の活性化や区政の課題解決のための活用が求められていることから、区として当該用地の具体的な活用策を検討し、東京都に対して用地の譲渡や地域要望に沿った活用を働きかけていきます。
 そして、今後活用予定のない区施設跡地等については、未利用地の有効活用の観点から、売却、貸付け等についても検討します。
 具体的な区有地の活用策は、(2)で示しているとおりでございます。
 27ページをお願いいたします。ここからは財政計画になります。
 基本的な考え方ですが、計画目標の達成に向けて、各種施策を着実に推進するためには、中長期的な展望に基づく財政面の裏付けに加え、景気動向の変化にも柔軟に対応できる安定的な財政基盤を築いていくため、一層の財政健全化を推進することが求められています。本計画では、計画期間中における財政収支を想定し、主要な公共施設整備事業をはじめとする施策の実効性の確保に努めてまいります。
 まず、主要な公共施設整備事業です。
 これは、本計画の期間中に実現を目指す施設整備や都市基盤整備事業のうち、複数年度にわたり多額の財源が必要となるものを事業指定しています。
 なお、民間事業者による特別養護老人ホーム等の整備に対する補助助成やPPPを活用する事業についても、本事業に位置付けております。
 財政計画の作成に当たりましては、現行の行財政制度を前提に消費税率10%の引上げや法人住民税の一部国税化など、税制改正による当面の変動要因を見込んで推計しています。
 経済成長率の想定は、経済の先行きが不透明であり、経済見通しに基づく財政推計が困難なことから、名目経済成長率及び消費者物価上昇率は見込んでいません。
 行財政改革の反映については、事務事業の見直し等による経費削減を過去の実績に基づいて見込むほか、公共施設マネジメントについては、計画期間内における資産処分の考えを反映させています。
 その上で、財政収支の推計ですが、本計画の人口推計に基づく変動要因と、制度改正や特殊要因による歳入・歳出の一般的な増減を除き、過去の決算実績をベースに推移を勘案して算定しています。
 28ページをご覧ください。歳入でございます。
 特別区民税は人口推計に基づく納税義務者数の増を見込みますが、経済動向と密接に連動する区民所得の変動については、増減を見込まずに推計しております。
 特別区交付金は、現行の特別区への配分割合である55%を前提に、法人住民税一部国税化等の税制改正による影響を見込んで推計しています。
 また、主要な公共施設整備など、事業実施に連動する補正等の特殊要因を見込んでいます。
 国・都支出金は現行制度を前提に、経常的事務については過去の実績と歳出連動によって、主要な公共施設整備事業については、その実施によって見込まれる収入をもとに推計しています。
 特別区債は、将来の公債費負担を考慮しながら、主要な公共施設整備事業や施設の解体に要する経費について、後年度にわたる区民の負担の公平性と財源確保の観点から活用いたします。
 基金からの繰入金は、財政調整基金、公共施設整備基金及び減債基金について、積立・繰入計画に基づいて繰り入れるほか、その他の基金についても、それぞれの基金の目的に沿った事業に活用していきます。
 その他、地方消費税交付金は消費税率10%引上げ分を見込んだほか、これに連動する自動車取得税の廃止等による影響を見込んでおります。
 行財政改革の一環である使用料及び手数料の見直しや、保育定員の拡大による分担金及び負担金の増加なども反映し、推計しています。
 歳出です。
 人件費は計画期間中における行財政改革や事務事業の見直しを図る中で、必要最小限の人員を見込んで推計したほか、扶助費は過去の実績をもとに、今後の伸びが見込まれる子育て支援や障害者自立支援関連の経費の伸びを見込んで推計しています。
 公債費は特別区債の既発行分、主要な公共施設整備事業の実施による新規発行分の元利償還額、さらには満期一括償還方式に対応した減債基金への積立分などを見込んでいます。
 29ページをお願いいたします。
 投資的経費については、主要な公共施設整備事業のほか、道路整備など経常的に実施する投資的事業などについて、必要な経費を見込んでいます。
 また、公共施設マネジメントにおける予防修繕にかかる経費も見込んでおります。
 その他の一般行政経費となる物件費、維持補修費、補助費等では、計画期間中における新たな行政需要の増大や、指定管理者制度の導入、新規施設の開設に伴う維持管理経費の増加などが見込まれる一方、事務事業や補助金の見直し、公共施設マネジメントによる施設の廃止等に伴う維持管理経費の減を見込んでいます。
 7といたしまして、財政規律の前提となります、基金、特別区債の残高等の目標です。
 まず、基金残高の財政調整基金は、残高の目標は2020年、平成32年度末100億円以上、2025年、平成37年度末130億円以上といたします。公共施設整備基金は、主要な公共施設整備事業等に積極的に活用して、残高の目標は現状の残高を維持することとし、2025年、平成37年度末35億円といたします。特別区債は、建物の解体に要するものは除いて、各年度の残高350億円以内を目標といたします。
 30、31ページは主要な公共施設整備事業の一覧でございます。
 1月25日開催の本委員会でご説明したものから、変更点をご説明します。
 当時の事業説明によりますと、総額約889億円としていましたが、28年度予算確定後、ただいまご説明した財政推計を行った結果、もし全事業を行うと多額の特別区債や公共施設整備基金等の活用が必要となり、財政規律としてお示しした起債残高の350億円以内、基金の積立計画にも大きな影響を与えること。さらには、山本区長が述べているように、新基本計画の確実な執行を実現するため、理想を求めてしまっている事業について、後期の執行を中心に精査した結果、33事業775億円とさせていただきました。
 なお、歴史文化公園整備事業につきましては、公園等新設・再整備事業において行うテーマ別の公園整備の中で実施することとし、基本計画事業からは落とすことといたしました。
 その結果のトータルの財政収支の想定が、32ページとなっております。
 33ページからは、第2部「“夢”実現プロジェクト」となります。
 34ページをお開きください。
 まず、「すみだの夢」の定義でございますが、「暮らす人、働く人、訪れる人の夢や希望がかなえられている状態」といたしました。その中で、「“夢”実現プロジェクト」ですが、「すみだの夢」の実現に向けて、墨田区基本計画全体を牽引するプロジェクト事業のことになります。すみだの将来を見据えた「まちづくり」と、それを担う「ひとづくり」を軸に、さまざまな分野の施策を横断的に関連付け、相乗的な効果を発揮できるように、基本計画の施策体系とは別に設定しています。
 なお、“夢”実現プロジェクトは「暮らし続けたいまち」「働き続けたいまち」「訪れたいまち」の三つのプロジェクト事業と、それら事業を更に発展させていくための「シティプロモーション戦略」から構成されています。このプロジェクトの期間は前期5年といたします。
 なお、“夢”実現プロジェクトの推進による「すみだの夢」の達成状況を測るために、次の指標を設定します。
 「墨田区民であることを誇りに思う」区民の割合を、今回の調査の結果出ました69.6%から75%へ、地域ブランド力の全国における評価順位を140位から90位へと目標を掲げました。
 35ページはイメージ図でございます。
 36ページをご覧ください。
 ここからはプロジェクト1、「暮らし続けたいまち」の実現です。
 「子ども・子育て支援を充実させ、笑顔があふれるまちをつくります」でございます。
 その将来像は、「子育て環境が整備され、仕事と子育ての両立等、自分が思い描くライフスタイルで生活しながら、ゆとりをもって子育てできるまちになっています。また、子どもたちが安心して遊べる環境が整い、元気な子どもたちの声が弾む、活気あふれるまちになっています」としております。さらに、知(学び)・徳(こころ)・体(からだ)のバランスがとれた教育環境の中で、すみだの子どもたちが将来、社会で活躍し、地域に貢献できる人に育つとともに、郷土に愛着と誇りをもち、異文化を理解し、交流できる国際感覚のある人になっているとしております。
 推進していくプロジェクトの1は、「子ども・子育て支援が徹底整備されたまちづくり」で、主な取組は記載の事業のとおりでございます。
 37ページです。
 2、「知・徳・体の充実を図る教育による将来のすみだを担うひとづくり」でございます。
 主な取組は、学力向上「新すみだプラン」の推進事業など、記載のとおりでございます。
 また、3、「緑豊かな公園など、子育てしやすい住環境づくり」では、新住宅マスタープラン推進事業など、記載のとおりでございます。
 38ページをご覧ください。
 こちらは、プロジェクト1の二つ目、「地域力日本一の、住んでいてよかったまちをつくります」というものでございます。将来像は、「区民一人ひとりが自助・共助の意識が高まるとともに、燃えない・壊れないまちづくりが進み、災害対応力が向上しています。また、困ったときに相談できる環境が整い、地域の支えあいの中で誰もが安心して暮らしています。そして、地域コミュニティの多様な担い手によって、地域で活発な活動が行われることで、誰もが地域の中でいきいきと生活を送っている『地域力日本一』のまちになっています」ということです。その推進をしていくプロジェクトは、まず「災害に強い安全安心なまちづくり」でございまして、主な取組は不燃化促進、耐震化促進事業等でございます。
 39ページは、「誰もが安心して暮らし続けられるまちづくり」といたしまして、高齢者や障害者等を支援する事業に取り組んでまいります。
 3点目、「地域力を高めるコミュニティとひとづくり」では、地域力育成・支援事業などを主な取組としております。
 40ページをお願いします。
 ここからは、“夢”実現プロジェクト2、「働き続けたいまち」の実現でございます。
 「活躍したい人が、輝くチャンスをつかめるまちをつくります」としております。その将来像は、すみだの産業に関わる人たちが、自身の技術力の向上や積極経営に取り組み、生き生きと働いています。このような中で、新規創業が増加し、既存事業者と新規創業者の交流によって、産業が一層活性化したまちとなっています。また、女性や若者、高齢者等、誰もが自分の希望するワークスタイルで働き、充実した生活を送っています。
 その推進プロジェクトは、1、「新たなビジネスが生まれ、活発な交流が進むまちづくり」といたしまして、記載のとおりの主な事業等を展開してまいります。
 41ページでは、2、「ワーク・ライフ・バランスを実現し、女性も男性も輝き、活躍できるまちづくり」としています。
 3点目は、「夢をかなえたい若者や、元気な高齢者・障害者が活躍できるまちづくり」といたしまして、記載のとおりの事業等を展開してまいります。
 42ページでは、“夢”実現プロジェクト3、「訪れたいまちの実現」で、「さまざまな交流が生まれる、憧れのまちをつくります」としております。その将来像は、すみだならではの歴史や文化、景観等が織りなす「まちの魅力」で、世界中の人が「一度は訪れたい」と思い、訪れた人は「また来たい」と感じる、「国際文化観光都市」になっています。また、「おもてなしの心」による「ひとの魅力」で、まち歩き観光を楽しむ人があふれるにぎわいのあるまちになっています。
 なお、推進するプロジェクトは「誰もが安心してまち歩きを楽しめる国際的なまちづくり」、43ページの「観光とものづくりが融合したまちづくり」、そして「『おもてなしの心』を育むまち・ひとづくり」となっております。
 44ページをお開きください。
 こちらでは、説明した3プロジェクトを押し上げるシティプロモーション戦略、「すみだの魅力の効果的なシティプロモーションで、多くの人が『つながる』まちをつくります」としております。その将来像は、多様な主体と行政との協働による魅力的な情報発信が活発に行われ、すみだのイメージと認知度が向上する中で、区民のまちに対する愛着と誇りが育まれ、区外の人々からの共感や憧れが生まれています。これらが、すみだのシティプロモーションを更に推進する原動力となり、「暮らし続けたい、働き続けたい、訪れたいまち」をますます発展させる、多くの「人と人とのつながり」が輝くまちになっているとしております。
 推進していくプロジェクトは、まず1点目といたしまして、「まちへの愛着、誇りを育むまちづくり」、2点目は「区外からの共感や憧れを生むまちづくり」、そして45ページの3点目で「みずからシティプロモーションを担うひとづくり」としております。
 以上、第1部、第2部の説明でございました。
 47ページ以降は第3部の具体的な施策体系図ごとの計画内容となります。
 これまで、体系図、施策の達成を図る指標について、ご議論をいただきました。その指標の中で、組分けと結果に基づく数値化をするため、1月20日から2月1日まで約2週間、区民アンケートを実施いたしました。今回は、区民20歳以上75歳未満の2,000名を無作為抽出で調査票の配布回収も郵送で行った結果、回収率は49.8%で、春に実施した調査結果43%と比較しまして、約7%の増加となっております。
 本日は、具体的な説明はいたしませんけれども、各所管の区民アンケートの現状値を鑑みて、目標値を設定するとともに、その目標値を実現するため、代表的な事業を基本計画事業としてリストアップしております。
 中身について、ご説明いたします。54、55ページをお開きください。
 施策111「郷土の歴史・文化を継承し、発展させる」でございます。
 こちらのとおり、「すみだの歴史や文化に区民がふれることで、郷土に対する理解・愛着が深まり、さらに区民が将来にわたり伝統文化を継承、発展させ、文化財が大切に保護されています」という、10年後の将来像を掲げた上で、現状とこれまでの取組、今後の課題を記載し、施策の達成を測る指標、そしてそれを実現するための事業を記載しています。
 なお、事業に書いてあります白四角、ここでいいますと、旧安田庭園再整備事業でございますが、こちらは主要な公共施設整備事業です。残りの黒丸は、それ以外の事業と、いわゆる一般の基本計画事業となっているところでございます。本日は、こちらの基本目標のⅠとⅡまで、ご議論をいただくことになっております。
 なお、基本計画(素案)につきましては、本日から4月22日までパブリックコメントを実施しています。本日、区報、ホームページ等で公開をいたしましたので、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
 なお、本委員会でのご議論、そして4月に行われます有識者会議、そしてこのパブリックコメントの議論を踏まえまして、6月には策定となる予定でございます。
 資料1の基本計画(素案)の説明は以上でございます。
 続きまして、資料2「墨田区総合戦略」でございます。
 本委員会におきまして、さまざまな角度からご意見をいただきまして、製本化をすることができました。本当にありがとうございました。
 1月25日に報告いたしました素案から、基準値・目標値を記載するとともに、本委員会、有識者会議、パブリックコメントの結果等を踏まえまして、一部修正して策定をしています。
 まず、資料4のパブリックコメントの実施結果をご覧ください。
 2名から3件の意見がありました。
 資料4の裏面が、その意見でございます。
 1番目は高齢者施策についてで、高齢者のニーズを充足するための取組がもっと必要ではないかとのご指摘でございました。
 お答えといたしましては、国が進める地方創生の基本目標の一つである「若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現」等を踏まえまして、墨田区総合戦略では特定の分野の施策を重点的に掲げるため、記述をしていないということでございます。
 なお、高齢者施策につきましては、本区の総合的な計画である新基本計画において、その方向性や取り組む事業等についてお示しするとしております。
 2番目は、運河を活用したまちづくりを進めてはどうかとのご意見です。
 「水辺を活用した舟運事業」や「北十間川・隅田公園回遊路整備事業」等を具体的な施策として掲げておりまして、このご意見の趣旨については、既に総合戦略に含まれていると考えています。
 3番目は、両国地区再開発計画を具現化してはというご提案がございました。
 これにつきましては、両国地区の活性化というご意見の趣旨を踏まえまして、現在、両国地区において取り組んでいる「『両国観光まちづくりグランドデザイン』推進事業」を追加記載しております。
 その上で、資料3、総合戦略(素案)との主な変更点でございます。
 資料2の総合戦略を開きながら、ご確認願います。
 まず、総合戦略の10ページをお開きください。
 ここで、素案では「多子世帯の子育て応援事業」を記載していましたけれども、予算特別委員会の議論等を踏まえまして、これを消去し、「子ども版地域包括センター事業」を記載しています。
 2点目です。12ページの(4)をお開きください。
 この施策の標題なんですけれども、素案では「子育て世帯などが地域の中で安心して住み続けられる住環境づくり」となっておりましたが、有識者団体等からの子育て世帯以外のアプローチも必要というご指摘がございましたので、「子育て世帯をはじめ、誰もが地域のなかで安心して住み続けられる住環境づくり」に変更しています。
 13ページをご覧ください。
 こちらの重要業績評価指標(KPI)ですけれども、素案では体感治安のところが、「刑法犯の認知件数」でございました。この刑法犯の認知件数では、区民がどのように感じているかという視点が重要だというお話がありまして、それに代わり「体感治安について肯定的評価をした区民の割合」と変更しています。
 14ページをご覧ください。
 素案では基本目標Ⅱの数値目標につきまして、「製造業の付加価値額特化係数」及び「小売業の付加価値特化係数」としていましたけれども、有識者会議の中で、「特化係数ではほかの業種の縮小はよいと捉えてしまう可能性がある」というご指摘がございまして、「製造業の事業所数」及び「東京都における区内小売業等の年間売上額シェア」と変更しています。
 18ページをご覧ください。
 ワーク・ライフ・バランスの推進の部分でございますが、KPIが素案では「東京ワーク・ライフ・バランス認定企業数」としていたんですけれども、こちらの企業数は例年認定数が少なく、数の伸びがそれほど期待できないことから、企業ではなく、区民に注目する指標に変更すべきとの議論に至りまして、「父親の1日あたりの家事・育児時間」と変更しております。
 資料3の裏面をお願いいたします。総合戦略では19ページになります。
 基本目標Ⅲの数値目標でございますが、素案では「墨田区における来訪者の観光消費額推計」となっていましたけれども、「外国人観光客の墨田区に対する来訪満足度」といたしました。これは、もともと(4)「訪れる人をやさしく迎える『おもてなし』の体制をつくる」のKPIでございましたけれども、やはり懇談会で「満足度はおもてなしのみによって高まるものではない」との指摘がございまして、こちらの数値目標としております。
 また、四つの施策の順番の変更がありましたので、そのように直しております。
 20ページ、「観光とものづくりが融合したまちづくりを進め、すみだの活力を創出する」のKPIで、素案では「『すみだまち処』の年間売上額」としていましたけれども、観光とものづくりの融合の主役は区内事業者であることも踏まえまして、特定施設のものどころではなくて、区内全体において観光でどの程度金額を使ったかを使用するべきということで、「1人当たりの平均観光消費額」といたしました。
 21ページ、「観光資源の連携を強化し、回遊性の向上を図る」のKPIが、「まち歩きガイドツアーの参加者数」につきましたけれども、ここのKPIが実は四つ表示されていたということで、絞らせていただいたことから、この参加者数を削除させていただいています。
 同じく21ページですけれども、先ほどのパブリックコメントを受けまして、事業に「『両国観光まちづくりグランドデザイン』推進事業」を追加しています。
 23ページをご覧ください。
 「訪れる人をやさしく迎える『おもてなし』の体制をつくる」のKPIでは、素案では「外国人観光客の墨田区に対する来訪満足度」としていましたけれども、先ほどの数値目標に格上げをした関係で、ここでは「すみだ観光ガイドの在籍人数」を追加しています。
 また、具体的な事業で素案では、「地域力育成・支援事業」の事業説明に含めていた「ヘルス&マナーコミュニティ墨田」を、一つの事業として抜き出して記載しております。
 以上が、総合戦略の説明となります。
 資料5の人口ビジョンにつきましても、製本化いたしまして、本日お配りをいたしました。今後の人口関係の分析データとして貴重なものとなっておりますので、ご使用いただければと思っております。
 大変長くなりましたが、以上で説明を終わらせていただきます。
○委員長(坂下修君) 
 この際、各委員及び理事者に申し上げます。
 この後、ただいまの説明について、各委員から質疑を承ることとなりますが、本委員会は多数の委員により構成されております。限られた時間の中で、多くの委員から発言していただきたいと考えておりますので、質疑及び答弁に当たっては、簡潔・明瞭にされるよう、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
 なお、理事者は、自席において答弁されるよう、お願い申し上げます。
 それでは、ただいまの説明について、何かご質疑、ご意見はありませんか。
◆委員(井上ノエミ君) 
 まず、墨田区基本計画の素案について、お伺いします。
 この基本計画には、行政評価システムが組み込んであることは大変いいと思います。それぞれの事業が本当に区民のために役に立っているのか、これまではあまり評価しなかったと思います。これまでは、予算を使えば実績になりましたが、これからはそのお金が本当に役に立ったかを、しっかり評価していただきたいと思います。
 60ページから65ページに観光に関連した事業があります。例えば、墨田区観光協会のホームページのアクセス数が指標になっています。現在、1年間に32万3,000人を10年間で35万人にする目標です。10年間に3万人ですから、1年間に3,000人が目標になります。1年間に、これしかアクセス数が増えないのでは、とても国際観光都市にならないと思います。
 また、区内を訪れる観光客数の目標値も10年間で100万人の増加です。つまり、1年間に10万人の増加です。これも大変少ないと思います。このような低い目標数で観光のために多額の税金を使うことは問題だと思います。ご見解をお伺いします。
◎産業観光部長(小暮眞人君) 
 61ページの施策の指標です。
 まず、観光協会のホームページについては、現在が32万3,985人ということで、これは昨年に比べて約1.6%増加していると。それを今後伸びていくという推移で設定したのが、この32年度、37年度という数字になっております。それで、5年後にはおおむね5%、10年後に10%。
 また、2番目の区内を訪れる観光客数ですけれども、これは行政基礎資料集にある主な区の観光施設の実績が現状値となっていて、それが909万7,423人。これも今までの間の伸び率を勘案して、今後5年後、10年後ということで設定した目標でございます。
◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、墨田区総合戦略ですが、10ページに「子育てと仕事の両立の推進」があります。このKPIですが、セミナー受講者数を13人から30人に増やすのが目標値になっています。墨田区の人口を考えると、セミナーに参加する人が17人増えても、その事業が効果的であったと言えるのでしょうか。もう少し、よいKPIが必要だと思います。ご見解をお伺いします。
◎総務部長(鈴木陽子君) 
 この事業は、区民ではなく企業向けの事業でございます。これまで行ってまいりまして、累積としては今100人を少し超しているという状況でございます。これから、10年の間、1回の定員を30人にしておりますので、できれば150人増やして、200人以上にしたいと考えております。
 内容につきましても、今年も1回実施いたしましたが、社会保険労務士、それから東京都の労働情報相談センターの方にもいらしていただきまして、企業向けにワーク・ライフ・バランスを進めていただくPRを、今後ともしていきたいと思っております。
 また、それが企業の中でどういうふうに進んでいるのか、実は今まで全く把握してきませんでした。予算特別委員会でも掲げさせていただきましたけれども、来年度、企業向けの実態調査も行いたいと思っていますので、併せてやっていきたいと考えております。
◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、パブリックコメントについて、お伺いします。
 わずか3件しかコメントがなかったようです。これでは、あまりに数が少ないと思います。各地域で基本計画の説明会をやるなど、これからはパブリックコメントの方法を考える必要があると思います。ご見解をお伺いします。
◎企画経営室参事(岩瀬均君) 
 総合戦略のパブリックコメントが3件ということで、確かに私も少ないかなという感じはしております。この間、総合戦略につきましては、この基本計画調査特別委員会の中で活発なご議論、区議会の皆さんからもいただくと同時に、有識者会議でもご意見をいただく、そして基本計画では区民ワークショップというのがありまして、区長の公約、それからこの「すみだの夢」、そしてこの総合戦略についてもワークショップの中で、いろいろご議論いただいております。そして、東京商工会議所墨田支部からもご意見をいただくなど、いろいろな各方面からご意見をいただいて、この総合戦略の策定を行いました。したがいまして、今後の基本計画も今日からパブリックコメントは入っているんですけれども、これまでも基本計画を策定しているときには、コミュニティ懇談会を活用したり、それから予算ではシンポジウムを開催して、区民に幅広く周知をしているということを計画しております。また、今年から正式にタウンミーティングも始まるということもございますので、いろいろな機会で基本計画のPRや基本計画の周知に努めてまいりたいと考えております。
◆委員(井上ノエミ君) 
 最後に、墨田区人口ビジョンについて、お伺いします。
 ここでは、外国人の人口について分析があります。大変詳しくて、とてもよいと思います。この10年間に中国人の人口が大変増えていることが、よく分かりました。特に、中国人の女性がたくさん増えています。これは、性格的に考えて大変重要な情報だと思います。中国人が多くなれば、中国人観光客を集めるためには、大変よいと思います。
 また、中国人の女性がいれば、子どもを産む人も多いと思います。そうすると、保育園に子どもを入れる。保育園には中国語を話せる保育士が必要になってきます。また、小学校でも中国語と日本語のバイリンガルの子どもが増えてきます。また、外国人の母親は日本人の社会から孤立しやすいので、児童虐待のケースも多いです。中国人の母親のサポート体制も必要です。いろいろ考える必要があります。
 そこでお伺いしますが、外国人の人口の増加、特に中国人の増加については、どのように予測しているのか、お伺いします。
◎企画経営室参事(岩瀬均君) 
 今回、外国人の人口の推計につきましては、外国人の人口という形で推計していません。墨田区全体の人口という形で推計しています。もし、墨田区の人口における外国人の人口の割合が今後も継続すると想定した場合の割合でいいますと、今現在、墨田区の人口を外国人人口で割りますと、大体3.8%ぐらい。中でも、中国の方の人口は約1.9%、四捨五入しますと、そのくらいでございます。したがいまして、平成37年の墨田区の人口が約27万5,000人ということ、この伸びで進むとしますと、外国人全体は1万506人、中国人は5,108人と、そういう形の推計になりますが、これは現状の割合でやった場合です。今、中国の方は増えていますので、これ以上になる可能性は高いと考えております。